座禅のススメ

座禅のススメ

こんにちは。今年は夏になるのが早かったですね。部屋の設えや洋服の衣替えを急かされた季節の変わり目でした。
今回のほとけ便りは、気忙しさを覚える私もぜひ実践したい「座禅」についてです。

お寺が開催している座禅会が人気で、Apple創設者のスティーブ・ジョブズが禅に傾倒があったことから、経営者の方などの参加も増えているそうです。

座禅が人気…の訳

座禅は「心」そのものと向き合う方法を教えてくれる、と言います。
「座禅」のイメージは…「無心」になり「悟り」を目指してただ瞑想する…。 このすべてが間違いで、人間、無心になどなれるものではない、と言います。 何かを目指してするものでもなく、瞑想とも違います。 「自分の心の動きをただ見つめる」ということですが、それをするだけでどんな効果があるのでしょう。

座禅の効果

座禅の効果

心の断捨離

座禅そのものは、成長を目指して何か身につけるのではなく、ひたすら捨てていくことだそうです。 想いやしがらみをどんどん捨てて、まっさらな裸の心に気付くこと、本来の自分の姿に返ること。それは心の断捨離と言えそうです。

静寂の時間

肌身離さずスマートフォンやタブレットを持ち、欲しい情報や人との連絡が取れて当たり前の時代です。便利な反面、不要な情報が多く入ってきたり、煩わしい連絡に時間を奪われたりする場面も多くないでしょうか。
欲しいもの、必要そうな情報…「自分」以外のことの情報が多いなかで、静かな「自分の心」の時間をどう確保するか。仕事や家事、趣味などの活動時間の他に、「静寂」の時間を取るのに、「座禅」は簡単でとても効果があるといえます。

心の自然治癒力

身体の「自然治癒力」。これは心にもあります。 禅や座禅のイメージはまったく心が静かになって感情がなくなるようなイメージがありますが、それは間違いだそうです。
喜怒哀楽があったとしても、元の状態に戻れる「心のしなやかさ」。これを鍛えられる効果が座禅にはあるそうです。
座禅を続けることで、感情がイキイキと輝き、生きている実感が強まり、また悩みや不安と一緒に平気で生きていけるようになるそうです。

座禅と瞑想の違い

広い意味では座禅も瞑想のひとつといえなくもないそうですが、明らかに違っていることもあります。

瞑想

・瞑想は目を閉じます。
・思い浮かべる:イメージトレーニング
頭のなかにイメージを浮かべます(視覚情報を遮断する為に目を閉じるのですね)。試合で勝ったイメージを思い浮かべたりするイメージトレーニングなど。

座禅

・「半眼」目を閉じず、なかば開けている状態
・何も思い浮かべないようにする:体と心をひとつにする
座禅をしている「今」「このとき」の体に、心を重ねてひとつになる。色々思い浮かぶ「雑念」があるときは、心は体から離れている。
「心ここにあらず」の状態から、本来は一体である身体と心に立ち返ろうとするのが座禅。

座禅の作法

座禅では、次の3つを調えます。
・調身:姿勢
・調息:呼吸
・調心:心

調身:姿勢の調え方

①座布団の上に座る。
(本来は座布という厚めのものに座るので、座布団を2枚重ねたり、1枚を二つ折りにして座るとよい)

②結跏趺坐(けっかふざ)を組む。
胡坐(あぐら)をかいた状態から右足を左の太ももの付け根にのせる。それから左足を右のももの上にのせる。(身体が硬い方は、左右どちらかの足をももの上にのせる「半跏趺坐(はんかふざ)」から始めましょう)

③背筋を伸ばす。
(おへそに力を入れ、胸を軽く開くようにするのがコツ)

④手で「法界定印(ほっかいじょういん)」を保つ 。
右の手の平を上にし、組んだ足の上に置き、左手をその上にのせます(卵形の空間ができるような形)。この手の形は「静かに慮る」、仏様の働きを表しています。

調息:呼吸の仕方「数息観(すそくかん)

「数息観」座禅の時の初歩的な呼吸法

呼吸
鼻から息を吐きながら「ひとつ」「ふたつ」と心の中で数えながら十まで数えます。 意識するのは「ほそく」「ながく」。吐くことを意識していれば、吸うことは身体にまかせてよいそうです。口は閉じて(舌を上の歯の付け根に当てる)、吸うのも吐くのも鼻から行います。
普段、人は1分間に15~16回の呼吸をしていますが、座禅をしていくと10回位になり、(一番少ないと5、6回)、呼吸がゆっくりになるというのは身も心も落ち着いてきているということ。

目線
視線を1.5~2m前方に落とす。目は閉じず、「半眼」という、“見るとはなしに見る” 状態を保ちます。
半分は外の世界を、半分は自分の心の内を見るという意味と、目を閉じない方が座禅に集中できる効果があります。

調心:心

姿勢と呼吸を調えれば、心は自然に調ってくるそうです。

 

座禅の作法そのものは難しくはありませんが、おすすめは、はじめに正しい方法を教えてもらう、ということ。
座禅ができるお寺で、実際に体験してみて下さい。
禅は「実践」の教えでもあります。
座禅と一緒にご住職の法話も聞けることが多いので、禅への理解がきっと深まりますよ。

都内で座禅が体験できるお寺

座禅が体験できるお寺

大龍寺

丁寧な座禅の案内を受けられる、初心者にもオススメの座禅会。
座禅の途中には経行(きんひん)といって歩きながらの座禅も。
【宗派】曹洞宗
【日時】
(経験者)毎月第一土曜日 午後5時30分より受付
(初めての方)2018年内は毎月第一日曜日 午前7時30分より受付
【お布施】100円以上、それぞれのお志・金銭感覚などに応じて。
【場所】 早稲田駅 徒歩7分
【連絡先】03-3203-8394
https://blog.goo.ne.jp/kiun350

永平寺別院長谷寺

本格的な指導を受けたい方はこちらがおすすめ。
初めての方向けの『初心者講習』、2~5回目の方向けの『2回目~5回目講習』、6回目以降の方向けの『参禅』とコースが分かれて、着実に丁寧に座禅の奥深さを味わえる。
【宗派】曹洞宗
【日時】毎週月曜日18時半~20時半
【お布施】100円
【場所】渋谷駅~バス停(南青山六丁目)から徒歩5分
【連絡先】03-3400-5232
http://chokokuji.jiin.com/zazen-monday/

香林院

広尾駅を降りてすぐ。
毎朝座禅会を7時から、日曜日には夕方にも開催されています。
【宗派】臨済宗大徳寺派
【日時】毎週月曜~金曜日の7~8時 毎週日曜17~18時
【お布施】無料
【場所】広尾駅 徒歩4分
※5人以上要相談
http://kourin-in.com/ev.html

成願寺

週ごとに先生が替わり、座禅の後には読経や写経を体験できます。
初心者の方は、経験者と別に座禅の基礎を教えてもらえます。
その他にも朝のヨガや、沖縄空手道場など、いろいろなイベントが開催中。
【宗派】曹洞宗
【日時】毎週金曜日18時半~20時
【お布施】500円
【場所】中野坂上駅 徒歩6分
【連絡先】03-3372-2711
http://www.nakanojouganji.jp/zazenkai.html

龍雲寺(東京禅センター)

禅についてのトークショーと、足を組まずにゆったりと座れる「椅子坐禅」が体験できる「ZEN Cafe」が初心者に人気。
一般的な座禅会も開催されています。
【宗派】臨済宗妙心寺派
【日時】毎週日曜日18時半~20時半
【お布施】無料(「ZEN Cafe」は有料)
【場所】渋谷駅~バス(野沢雲竜寺)徒歩2分
【連絡先】03-3421-0238
https://www.myoshinji.or.jp/tokyo-zen-center

全生庵

千駄木にある幕末志士ゆかりのお寺でこどもでも座禅を体験できる「こども論語&座禅」は大人気!住職の法話の動画で禅の世界を深く知ることもできます。
【宗派】臨済宗國泰寺派
【日時】毎週日曜日18~20時
【お布施】初回500円、二回目以降300円
【場所】千駄木駅 徒歩5分
【連絡先】03-3821-4715
http://www.theway.jp/zen/kouza_zazenkaiu.html

圓融寺

歴史ある釈迦堂(重要文化財)の中で毎月最終週の水曜日に開催されている「ちょっと座ろう会」は、初心者の方でも安心して参加できる座禅会としても人気です。
他にも「禅×YOGA×アーユルベーダ」セミナーなども開催されています。
【宗派】天台宗
【日時】毎月最終水曜日 朝禅(午前8時~)、夜禅(午後8時~) ※4月以降は朝禅のみ。
【お布施】無料
【場所】目黒駅〜バス(碑文谷二丁目) 徒歩3分
【連絡先】03-3712-2098
https://www.enyuu-ji.com/

座禅のススメ

 

私ほと子も、1週間の座禅体験をしたことがあります。
日常的に、自分の心に向き合う習慣をつけたいですよね。
最寄の座禅ができるお寺を調べてみてはいかがでしょう。
「座禅 お住まいの地域名」で検索すると、座禅会の情報が出てきます。

また、『オンライン座禅』の記事はこちらです。合わせてどうぞ!

皆さまが、禅の心にお近づきになるお手伝いができましたら幸いです。