あんことほとけさまの甘〜い関係・仏教と和菓子の関わり

食欲の秋がやってきましたね!
こんにちは、ほと子です。

和菓子に多く使われるあんこ。実は、あんこは単なる甘味ではなく、仏教とゆかりがあったのです! 今回は、和菓子と仏教がどのように関わってきたのか、季節の行事や文化を交えながら紹介していきます。

あんこと仏教のつながり

日本で親しまれているあんこの起源は、仏教の伝来と密接な関係があります。仏教が中国から日本に伝わった奈良時代、小豆も一緒に伝来しました。仏教では「不殺生(ふせっしょう)」の精神に基づき、肉食は禁忌です。そのため、植物性食品を中心に食事をする修行僧たちにとって、小豆は貴重なタンパク源として重要な存在になりました。

また中国から伝わった饅頭は、もともと肉入りでした。鎌倉時代ごろ、肉食を避ける僧侶たちが、肉の変わりに栄養価が高い小豆を「餡(あん)」として饅頭に入れるようになり、あんこ入り饅頭が誕生しました。当時のあんこは小豆と塩で作られていて、甘さこそなかったものの、僧侶たちの食生活において大切な存在でした。

 

現代のようにあんこが甘くなるのは、室町時代から安土桃山時代にかけてのことです。ポルトガルなど海外から砂糖が日本に伝来し、茶道の普及とともに甘いあんこが作られるようになりました。江戸時代中ごろには国内でも砂糖が生産されるようになます。あんこを使った甘い和菓子が庶民の間でも普及し、大福、たい焼き、どら焼きなど、現代でも馴染み深い和菓子が次々と生まれました。甘いあんこの誕生には、仏教が大きく関わっていたのです。

 

お寺と和菓子の楽しみ

 

お寺と和菓子は古くから深い結びつきがあり、法要や仏教行事には欠かせない存在です。お供え物として和菓子が供されるのはもちろん、参拝者をもてなすお茶請けとしても和菓子が用いられます。

 

お寺の境内や門前町では、和菓子が販売されていることが多いですよね。

お寺ごとに特製の和菓子や寺紋が入った特別な銘菓が、訪れる人々を楽しませてくれます。京都の八つ橋や大宰府の梅ヶ枝餅など、その地域の名物として有名な和菓子もたくさんあります。

 

関西地方の寺院では、抹茶とともに上菓子と呼ばれる特別なお菓子がふるまわれ、参拝者は美しい庭を眺めながら一服の茶とともに和菓子を楽しめるのが一般的です。一方、東京のお寺では煎茶と和菓子の組み合わせが主流です。煎餅や饅頭などがふるまわれ、少し違った趣を楽しむことができます。

 

地域の違いが生み出すいろいろな和菓子は、お寺巡りを楽しくさせてくれるポイントのひとつ。お寺と和菓子が密接な関係にあるのは、日本ならではの食文化と宗教文化の融合によるもの。食文化と宗教文化が密接に結びついているなんて、興味深いですね。

 

季節ごとの和菓子と仏教

仏教行事は四季の自然の移ろいとともに催され、その時期に合わせた和菓子が登場します。日本の和菓子は、自然の美しさや季節感を反映した繊細なデザインや色使いが特徴。視覚でも楽しむことができます。

 

春は、桜の香りが漂う「桜餅」や「草餅」が供えられ、自然の恵みに感謝しながら故人を偲ぶ習慣があります。桜餅は、春の訪れとともに生命の循環を象徴しています。よもぎが入った草餅は、香りが強いよもぎのパワーで穢を払うという習わしがあったそうです。

 

夏になると、暑い季節を涼やかに過ごすための「水ようかん」や「葛切り」が人気に。

これらは仏教行事だけでなく、夏の法要やお盆の際にも登場し、参拝者をもてなす場面でもよく使われます。

 

秋には「栗きんとん」や「月見団子」が供えられ、特に十五夜には月見団子を供える習慣が根付いています。最近ではさまざまな飲食店が「月見フェア」を開催、すっかりわたしたちの生活に溶け込んでいますよね。

 

そして冬には「羽二重餅」や「雪見大福」が厳しい冬を乗り越える力を象徴する存在として供えられます。

このように仏教行事で用いられる和菓子は季節ごとに異なります。仏教の教えと自然の移ろいを感じさせる文化的な存在になっています。

 

また「おはぎ」や「ぼたもち」は、春と秋の彼岸の時期に供えられ、仏教行事に欠かせない存在。故人の供養や仏様への感謝の気持ちを表しています。

彼岸とは、仏教で「悟りの境地」を意味する言葉で、春分・秋分の日を挟んだ7日間が彼岸の期間にあたります。彼岸の期間にあんこを使った和菓子を供えることで、仏教の教えである不殺生や感謝の精神が表現されているのです。和菓子をいただくたびに、その歴史や精神的なつながりを思い出してみるのもいいですね。

 

まとめ

和菓子と仏教は、古くから深く結びついています。和菓子をいただくとき、仏教の精神や歴史に思いを馳せることで、普段何気なく味わっている和菓子が、より一層特別なものとして楽しめるかもしれませんね。

以前に、お抹茶と仏教についての記事もあげましたので、一緒に読んでいただけたら嬉しいです。

お茶と仏教の関わり 〜今、世界的に大人気の抹茶のルーツを探る

自宅で簡単に作れるおはぎの作り方は、こちら

【精進料理を作ろう!】お彼岸レシピ おはぎを作ろう!

参考サイト

https://1kara.tulip-k.jp/buddhism/2020108001.html

https://www.hounen.jp/blog-h1.html

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/feature/wagashi-202110/

ほと子’s choice

今回は、ほと子が大好きなあんこを使ったお菓子をセレクトしました!

 

京都銘菓 阿闍梨餅 10個入 贈答用箱入り
2,278

 

 

おいもや ギフト どら焼き 和菓子 5個セット 「ありがとう」 さつまいも入り
2,698

 

 

[栗庵風味堂] ハローキティーもなか あずき 餡 35g、もなか皮 1組
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