お寺の名前の疑問！「～山」「～院」って何のこと？

夏の暑さが日に日に増してきましたね。

こんにちは。ほと子です。

今回は、お寺の名前に関するちょっとおもしろいお話をお届けします。

日本の風景に溶け込んでいる、数多くのお寺。その名前に「～山」や「～院」が付くことに気付づいてましたか？例えば、東京にある増上寺（ぞうじょうじ）の正式な名前は、三縁山広度院（さんねんざんこうどいん）増上寺です。

「山」や「院」には、どんな意味があるのでしょうか？

今回は、お寺の名前に使われる「～山」「～院」の意味とその背景について見ていきます。

1,日本のお寺の歴史
 2,山号と院号って何？
3,山号と院号の付け方
 4,山号と院号の魅力
 5,まとめ
 6,ほと子’s choice

日本のお寺の歴史

お寺は仏教を信仰する僧侶が起居する宗教施設。仏教は、紀元前5世紀頃にインドで始まり、日本へは中国大陸や朝鮮半島を経て、6世紀頃に伝わってきました。日本のお寺は宗教施設にとどまらず、学問や芸術の中心地としても発展していきました。

奈良時代には多くの大寺院が建立され、仏教の教えが国家政策に取り入れられます。平安時代になると天台宗や真言宗といった新しい宗派が登場し、それぞれ独自の寺院文化を築き上げていきました。

仏教は日本に深く根付き、お寺は地域社会や人々の生活に大きな影響を与えてきました。そしてお寺は地域の文化や歴史を語る重要な存在として、現代まで続いています。

山号と院号って何？

お寺の名前に「～山」と付くものを「山号（さんごう）」と呼びます。山号はお寺に与えられる称号のひとつで、そのお寺が位置する山や丘、関係する地名から名付けられます。山号は、中国の禅宗に由来します。中国では寺院が山中に建立されることが多く、その山の名前を寺院名の前に付ける習慣がありました。日本でもこの習慣が取り入れられ、お寺の名前に「～山」と付けられるようになったのです。お寺の正面の門のことを「山門」と呼ぶのも、これからきています。

山は古来より聖なる場所とされてきました。修行の場としても重要で、僧侶たちが厳しい自然環境の中で修行を積み、仏教の教えを深める場となっています。そのため、平地や町中に建つお寺にも、聖なる修行場であるという意味を込めて山号を付けるようになったそうです。

また、お寺の名前に「～院」と付くものを「院号（いんごう）」と呼びます。院号は、歴史的な人物や特定の事件、功績に基づいて名付けられることが多く、その寺院の由緒や伝統を表すものです。

院号が付けらえるようになったのは、奈良～平安時代にさかのぼります。当時、貴族や皇族が私邸を寺院に転用することがあり、その私邸を「院」と呼びました。これが「～院」という名前で広まっていきました。

また、院号は修行僧が一定の功績を上げた際に授与されることもあります。