本当に早いもので、2018年の終わりが見えてまいりました。ほとけ便りを皆さまにお届けするなかで、私も新しい経験と気付きが沢山ありました。今年最後のほとけ便りは、年末年始にご利益がありそうなお寺や神社のイベントのご紹介をします。
お参りやお散歩をされる時間で、今年を振り返ったり、心新たに年を迎える心の準備ができたらよいですね。お住まいの地域で似た催しがないか、お探し頂くヒントにもなれば嬉しいです。
年末のご利益巡り
浅草寺 納めの観音ご縁日・羽子板市
正月用の品や縁起物の品を売る「歳の市」は江戸時代から始まり、なかでも江戸随一だったという浅草寺の歳の市。縁起物として加わった羽子板のお店が今では主役となり、境内に数十軒と並びます。世相に合わせたデザインの羽子板や、店主の口上と客とのやりとりは、師走の浅草の風物詩となっています。江戸時代から続く活気を感じながら、羽子板に飾られる今年の顔を拝み歩けば、楽しく一年を振り返れそうです。
YouTube: 【浅草寺 年の瀬の風物詩 納めの観音ご縁日「羽子板市」】
羽子板を買った時の三本締めや賑わいの様子が見られます。
開催日:2018年 12月17日(月)〜19日(水)
所在地:〒111-0032 東京都台東区浅草2-3-1
公式HP: http://www.senso-ji.jp/annual_event/21.html
ガサ市(番外編)
浅草寺の羽子板市と同時に開かれる「ガサ市」。業者向けのお正月飾りが、プレハブ造りのお店に並びます。お正月飾りを箱からの出入れする時の「ガサガサ」と音を立てるところから「ガザ市」と呼ばれるようになったそうです。一般客も見学でき、羽子板市とは違った風情を楽しめます。小売りはしていないので業者の方の邪魔にならないよう、見学させてもらいましょう。
開催日:毎年12月15日頃から2週間程度
開催地:浅草寺本堂裏の空き地
薬研堀不動尊納めの歳の市・歳末大出庫市
目黒不動、目白不動とともに江戸三大不動の薬研堀不動尊。お遍路さんの像や由来を記した碑があり、江戸から続く庶民の信仰の場であることを感じられる薬研堀不動尊の納めの歳の市。注連飾りなど正月用品に加え、衣料品・靴・ハンドバッグ・日用雑貨などが格安にて販売されます。100軒の問屋に2017年には2万人が訪れ賑わいました。
薬研堀不動院
公式HP:http://www.yagenbori.net/
2017年の納めの歳の市の動画が見られます
開催日:2018年12月26日(水)~28日(金) 11~19時
開催地:薬研堀不動院付近の東日本橋二丁目町会路上
東京中央区観光ガイド
公式HP:https://www.centraltokyo-tourism.com/spot/detail/801000010
圓融寺のプロジェクションマッピング
大晦日の夜、都区内最古の木造建造物で国の重要文化財にも指定されている釈迦堂がプロジェクションマッピングで幻想的に彩られます。
開催予定日:2018年12月31日(月)※2018年は開催中止となりました。
所在地:圓融寺 東京都目黒区碑文谷1丁目22番地22号
公式HP:https://www.enyuu-ji.com/
過去のプロジェクションマッピング記事はこちら
年始のご利益巡り
谷中七福神巡り
250年前にはじまったといわれている谷中七福神巡りは、すべてが寺院で珍しいそう。およそ250年前に始まったといわれる、江戸最古の七福神を祀る「谷中七福神」。毎年1月1日から10日までの巡礼期間は、直接七福神を拝むことができます。(※寛永寺の弁才天は見ることができません)
下町情緒溢れる街並みを歩くコースは人気が高く、大勢の人と連れだっているような楽しさもあります。
開催日時:1月1日(火)~1月10日(木) 9:00~17:00
◆おススメのコース
①東覚寺→②青雲寺→③修性院→④長安寺→⑤天王寺→⑥護国院→⑦寛永寺
①【東覚寺】福禄寿(北区田端2-7-3)
田端駅より徒歩5分。
人望の神・福禄寿をお祀りしています。
このお寺をスタート地点とする方が多いそう。対で並ぶ赤紙仁王尊には、不調を感じる部分に赤い紙を貼ると良くなると言われています。
②【青雲寺】恵比寿(荒川区西日暮里3-6-4)
東覚寺より徒歩11分。
七福神は、インドや中国などからやってきた神様のなか、唯一の日本の神様・恵比寿様です。
商売繁盛、除災招福、五穀豊穣などのあやかりたい御利益ばかりです。
③【修性院】布袋尊(荒川区西日暮里3-7-12)
「青雲寺」より徒歩2分。
布袋尊は、笑門来福、夫婦円満、子宝にご利益があり!
豪華絢爛な本堂に祀られているのは、大きな布袋様は荒川区登録文化財になっていて、江戸時代の中期ごろから江戸近郊の行楽地として賑わったことから「ひぐらしの布袋」と呼ばれています。
④【長安寺】寿老人(台東区谷中5-2-22)
「修性院」より徒歩8分。
寿老人は、その名の如く長寿延命、富貴長寿の神さま。
長安寺は、山門も境内もほかの寺院と比べるとこじんまりとした、落ち着いた雰囲気の佇まいです。徳川家康が納めたといわれている寿老人がお祀りされています。
⑤【天王寺】毘沙門天(台東区谷中7-14-8)
「長安寺」より徒歩6分。
勝負運や願いが叶う神さまとして信仰されています。七福神の中で唯一、武将のお姿。
鎌倉時代に創建された広大な寺院で、江戸時代には今でいう宝くじのような「富くじ」で大変賑わい、湯島天満宮、目黒不動龍泉寺とともに江戸の三富とされています。
⑥【護国院】大黒天(台東区上野公園10-18)
「天王寺」より徒歩17分。
上野恩賜公園の裏にある「護国院」は財宝、福徳開運の神さま。
本堂に祀られている大黒天の背後にある画像は、徳川家光公から贈られたとか。
⑦【寛永寺】弁財天(台東区上野公園2-1)
「護国院」より徒歩21分。
最終地点の「寛永寺」弁天堂。
七福神の中で唯一女性の弁財天で縁結びや恋愛運、芸能や芸術に秀でた神さま。
日本橋七福神巡り ~日本で一番早く巡拝できる♪~
七福神巡りの中でも、すべてが神社となっているのが特徴の日本橋七福神巡り。谷中七福神が全てお寺だったことを思うと「あれ?七福神って仏様?神様?」と疑問が浮かびます。七福神の多くは、神様の要素と仏様の要素とを合わせ持っていて、七福神詣では、幾つかの神社と数か所の寺院とを巡る形をとっていることが多いのだとか。
日本橋という立地と、日本で一番といわれる距離の短かさは、参拝が短時間にできて、江戸の下町としての歴史も感じられて人気です。全て巡っても3~4kmのコースなので、どちらからでも巡りやすいそう。
①【小網神社】福禄寿・弁財天(中央区日本橋小網町16-23)
②【茶の木神社】布袋尊(中央区日本橋人形町1-12-10)
③【水天宮】弁財天(中央区日本橋蛎殻町2-4-1)
④【松島神社】大国神(中央区日本橋人形町2-15-2)
⑤【末廣神社】毘沙門天(中央区日本橋人形町2-25-20)
⑥【笠間稲荷神社】寿老人(中央区日本橋浜町2-11-6)
⑦【椙森神社】恵比寿神(中央区日本橋堀留町1-10-2)
⑦【寶田恵比寿神社】恵比寿神(中央区日本橋本町3-10)
●日本橋七福神巡り所要時間
お正月の1月1日~3日(混雑時):3~4時間位
お正月の4日以降:1時間半~2時間位
七福神巡りの1枚2000円の色紙を買えば、各神社でお金を支払う必要はなく、一枚の色紙に各神社のスタンプが押せて、御朱印帳のような一枚に♪
青梅だるま市
毎年1月12日に開催。
「青梅だるま市」は、15~16世紀に始まった青梅の市の名残りを今に伝える青梅の冬の風物詩です。当初は、養蚕の繁栄を願い「まゆ玉」が主として売られていましたが、江戸後期より縁起物としての「だるま」が売られるようになりました。
当日は歩行者天国となり、だるまや多くの露天が出店し賑わいます。
開催日:2019年1月12日(土) 13:30~20:00
開催地:青梅市東青梅1-2-5
東京の公式観光サイト 青梅だるま市:
https://www.gotokyo.org/jp/kanko/ome/event/p_oume-daruma.html
2019年3月3日、4日 深大寺だるま市 過去の記事はこちら
鳥越神社(台東区) 左義長(どんと焼き)
どんど焼きは正月にお迎えした神さまをお送りする日本の伝統的な行事。
正月飾りや書初め、古い御札などをお炊き上げし、地方によって呼び方は様々ですが全国で行われています。平安時代の行事が由来とされていて、この火や煙に当たると無病息災に一年を過ごせるといいます。
YouTube : 【今年も無病息災に 東京・台東区の鳥越神社で「とんど焼き」】
開催日:2019年 1月8日 13時から
所在地:東京都台東区鳥越2丁目
公式HP:http://www004.upp.so-net.ne.jp/kab_ra/
江戸時代から続く年末の風物詩となる催しや、現代的なイベントをご紹介しました。お寺のもつ歴史と雰囲気のなか、江戸時代から続く人の営みを感じたり、平和や日常に感謝できるのではないでしょうか。
皆さまの心に、平安と楽しさがありますように。どうか良い新年をお迎え下さい。