お寺や仏教に関する「音」といえば、ゴーンと鳴り響く鐘の音や、ポクポクポクという木魚の音を思い浮かべる人が多いでしょうか。
こんにちは。ほと子です。
仏教の行事では、いろいろな鳴り物・楽器が登場します。特に読経の際に鳴り物が使われることが多いですですよね。
そこで今回は、仏教で使われる鳴り物や楽器についてご紹介します。
仏教で使う鳴り物(楽器)の歴史
仏教の法要に欠かせない読経。お経を読むかたわらで、さまざまな鳴り物が使われています。
なぜ鳴り物が使われているのでしょうか。
鳴り物があると、複数の人がお経を唱える際にリズムを整えやすいと同時に、音を鳴らすことで時間の区切りを作ったり知らせたりすることもできます。また、鳴り物の独特な音により、宗教的な雰囲気を高め、信仰心を呼び覚ます・起こすという考え方もあります。
鳴り物はお釈迦さまが生きていた約2500年前にはすでに存在しており、仏教において人を集める合図や声を合わせる拍子に使われていたといわれています。
また、読経以外で鳴り物が使われるシーンには、お寺で鳴らす鐘を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
江戸時代より昔には、時計など正確に時間を確認できる道具が庶民に広まっていませんでした。そのため、お寺が水時計などで時刻を確認し、決まった時間に鐘を鳴らすことで、時間を広く知らせる役割を担っていたという背景があるようです。
仏教の鳴り物(楽器)には何があるか
読経で使われる鳴り物には、大きく分けて、次のふたつがあります。
- お経のリズムをとるもの
- 合図として使用するもの
また、「寺院で使われるもの」、「家庭で使われるもの」があったり、宗派によって使用する鳴り物の違いもあります。
ここからは、具体的な鳴り物を紹介しつつ、その特徴や使い方などを見ていきましょう。
木魚(もくぎょ)
木魚は読経の際に使われる代表的な鳴り物で、一定の間隔で打ち鳴らしながらリズムを整えます。お寺や仏教行事と言えば、ポクポクポクという木魚の音をイメージする人が多いのではないでしょうか。木魚の音とともに読経することで、精神統一にも寄与するといわれています。
木魚は中国の僧侶・隠元禅師(いんげんぜんし)が日本に持ち込み広まったものです。日本で使われるようになったのは江戸時代からといわれており、仏教においては比較的新しい鳴り物です。
ちなみに現代では、木魚は打楽器としてオーケストラや吹奏楽でも使われており、木魚ではなく「テンプルブロック」「ウッドブロック」などと呼ばれ、親しまれています。
魚版(ぎょばん)
魚版とは、木を魚の形に彫った鳴り物で、時刻を知らせる際にたたきます。木魚のもとになったものといわれ、主に禅宗の寺院で使われています。
寺院内に吊るされていることも多く、大きいものは数メートルにも及びます。
ちなみに、木魚も魚版も魚の形をしているのはなぜでしょう。
魚は眠るときも目を閉じないため、昔、魚は眠らないものと考えられていました。そこで、魚のように寝る間を惜しんで修行するようにと、勤勉や精進の象徴として魚の形になったといわれています。
また、口にくわえた玉は煩悩を表し、背を叩くことで煩悩を吐き出させるという意味があるそうです。
浄土真宗では「眠らずに修行する」という教えがないことから、魚版や木魚は使用しないそうです。宗派によって使用する鳴り物にも違いが見られるのはおもしろいですね。
伏鉦(ふせがね)
伏鉦とは、念仏を唱えるときに使う鳴り物で、円形の皿の形に鋳造した金属を台に置いたもの。鉦吾(しょうご)、叩鉦(たたきがね)、鉦(かね)とも呼ばれます。
撞木(しゅもく)という木製の棒でたたいて打ち鳴らします。金属製なので、木製の仏具よりも甲高い音が響きます。
もともとは吊り下げて使われていた鉦(しょう・かね)を床に伏せて使ったことから「ふせがね」と呼ばれるようになりました。吊り下げていた頃の名残で、端に小さな穴が開いているのが特徴です。
仏事のほかにも、雅楽、歌舞伎、祭り囃子(はやし)などにも使われています。
鏧(きん)
読経の始めと終わりの合図として使われることが多い鳴り物です。その澄んだ音は、仏様の耳にまで届き、人々の邪念を払うともいわれています。
いわゆる「おりん」といわれるものですが、宗派によって呼び方に違いがあります。
日蓮宗では「鈴(りん)」、浄土宗では「小鏧(しょうきん」、天台宗や浄土真宗では「鏧(きん)」などと呼ばれています。
また、寺院で使われるものは18センチメートル以上と大きく、「大鏧(だいきん)」や「鏧子(けいす)」と呼ばれています。一方、家庭で使われるものは7~15センチメートル程の大きさで、「小鏧(しょうきん)」や「大徳寺りん」と呼ばれています。
鏧を使用するタイミングや回数、鳴らし方は、宗派によって異なります。
細かいマナーは宗派に応じて確認しましょう。
梵鐘(ぼんしょう)
寺院にある大きな釣り鐘のこと。お寺では「時報」として、決まった時間に鐘を鳴らすことが一般的です。大晦日の「除夜の鐘」が有名ですが、これは108個あるといわれている人間の煩悩と同じ数の鐘をつくことで煩悩を消し、新しい年を幸せに過ごしたいという祈りを込めているのです。
まとめ
お寺で何気なく耳にしている音について、こんな楽器や歴史があったなんて、と驚いた人もいたのではないでしょうか。
忙しい日々の中でも、仏教にゆかりのある楽器の音色にしばし耳をすませ、心を整えてみてはいかがでしょうか。
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