お風呂文化は仏教が発祥?!お風呂と仏教の関係を解説

冷たい風に吹かれる帰り道。あ~早く温かいお風呂に浸かりたい!

こんにちは。ほと子です。
連日寒い日が続いていますが、そんな夜は温かいお風呂に浸かって身体を芯から温めたいですね。お風呂好きな私たち日本人ですが、実は入浴のルーツには仏教があるとご存じですか。

今回は、お風呂文化と仏教の関わりについてご紹介します。

目次

1,仏教とお風呂の関係
2,「功徳湯」とは
3,お風呂の変遷
4,まとめ
5,ほと子’s choice

仏教とお風呂の関係

日本は地形的に天然温泉が多く、古くから自然に沸いた天然温泉への入浴は行われていました。しかし温泉地と離れた都市部でも入浴が親しまれるようになったのは、仏教の影響が大きいといわれています。

神道にも水を身体にかけて清める禊(みそぎ)という行いがありますが、仏教でも身体を清めることは仏に仕えるものにとって大事な仕事の一つです。そのため多くの寺では沐浴や入浴する場所を設けていました。

寺院の僧侶らは、自らを清めるだけでなく、民衆にも沐浴の機会を提供していました。僧侶たちは修行の一環として民衆の沐浴を手伝っていたともいわれています。これを「功徳湯」といいます。

実際に、日本におけるお風呂の始まりは、東大寺に功徳湯として作られた大湯屋(おおゆや)だったともいわれており、僧侶と民衆がともに沐浴する場所として使われていたそうです。

さらに、民衆に沐浴が広まったのは、朝廷の国家政策も影響していたともいわれています。当時の朝廷は国を一つにまとめるために法律を作り、住民の戸籍や土地を管理するなど、国家体制の整備を進めていました。そこには「仏教の力によって災いを避け、国を安定させたい」という考え方があったようです。

国を一つにまとめ、仏教を各地に普及させるにあたり、沐浴は民衆の支持を得る施策として機能したといわれています。

身体をきれいにするのは気持ちがいいものですしね。どの時代も変わらず、入浴は人々の心を動かすのかもしれません。

「功徳湯」とは

仏教にある経典「温室教(おんしつきょう)」(正式名称:仏説温室洗浴衆僧経)には、沐浴の功徳を説いたものがあります。

そこでは、水や湯を身体にかけたり浸したりすることで、世俗のけがれを流し去るよう勧めています。特に、「七物」を用いて沐浴することで「七病」を取り除き、「七福」が得られると説かれています。

「七物」とは、沐浴に必要なものを指し、これらを使用して沐浴することを勧めています。

七物

①火を起こすもの

②清潔な湯水

③身体を洗う粉

④肌を滑らかにする樹脂・油・薬

⑤洗髪用の洗剤

⑥歯ブラシ

⑦入浴時に使用する衣類

そして、「七病」は次の七つの症状で、入浴によって解消されるといわれています。

七病

①肉体的な病気

②風邪

③手足のしびれ

④冷え性

⑤熱気

⑥不清潔

⑦たるさや目の疲れ

また、そこで得られる「七福」については、次のようにと説いています。

七福

①垢を落とし

②見た目を良くし

③歯を強くし

④目を明らかにし

⑤口内に潤いをもたらし

⑥気を晴らし

⑦風邪を防ぐ

日本各地に寺院が建てられ、仏教が広がるとともに、東大寺以外の寺院でも功徳湯が行われるようになりました。

民衆にとっても、入浴で体を清潔にすることは感染症予防や健康増進にもつながり、入浴の効果が評価されるようになりました。こうして民衆にお風呂文化が浸透するきっかけになったのです。

お風呂の変遷

仏教伝来から1000年以上、主流となっていたのは「蒸し風呂」で、蒸気で蒸して垢を落とすスタイルでした。

現代のようにお湯に浸かる入浴は、江戸時代にかけて登場します。民衆に浸透した入浴は、時代が流れるにつれ、仏教や修行的な意味は薄れ、純粋にお風呂を楽しむ憩いの場に変化していったのです。

江戸時代のお風呂

江戸時代には、公衆浴場いわゆる「銭湯」が登場します。

当時の銭湯は「戸棚風呂」といわれる蒸し風呂スタイルで、今のサウナのようなものでした。アツアツに熱した石に水をかけて蒸気を出し、湯気を立てた浴室内に、湯を張った大樽が置かれていました。人々は大樽に下半身を浸し、上半身は蒸気で温まり入浴していました。

また、当時は混浴が主流だったそうです。
その後、首まで湯に浸かる「据え風呂」が登場します。一人が入れるサイズの木桶に井戸水をため、薪で湯を沸かすというものです。

江戸周辺では鉄の筒に燃えている薪を入れ、その熱で湯を沸かす「鉄砲風呂」。関西では風呂桶の下に鉄の釜をつけ、そこで湯を沸かす「五右衛門風呂」が主流になりました。

明治・大正時代のお風呂

明治時代に入ると、蒸し風呂スタイルの銭湯は減り、大きな浴槽に湯をたっぷりと張る今の銭湯のような形式に変わっていきました。天井も高く、洗い場が広くとられた、開放的で大きな浴場が一般的となります。

さらに大正時代には木製の浴槽や板張りの洗い場は姿を消していき、タイル貼りの浴場が主流となっていきました。

この頃には混浴はなくなり、男女別の浴場が一般的になりました。

現代のお風呂

そして戦後になると、欧米文化の影響もあり、家風呂が主流となります。今は、ほとんどの家庭に湯船があり、浴室でテレビを見るなど、入浴以外の過ごし方も充実してきました。銭湯や温泉だけでなく、スーパー銭湯などの入浴施設も人気ですね。

お風呂は憩いの場でありつつ、さまざまに楽しめる場へと進化を続けています。

まとめ

大衆文化の一つであるお風呂が仏教から来ていたとは、おもしろい発見でした。修行が始まりだったけれども、その気持ちよさもあり、私たちの暮らしの一部に浸透したんですね。

まだまだ寒い日は続きますので、お風呂タイムを充実させ、ココロもカラダも温まりましょう。

また、他にもサウナに関する記事がありますので、こちらもぜひご参考に!

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