仏壇の意味とは?
仏壇の種類を選ぶ前に、仏壇がなぜ必要なのかという意味を知っておくことも大事です。
仏壇はお寺のミニチュア版です。ですので、厳密にはご本尊を祀る場所というのが本質的な意味です。
人は亡くなれば仏「ほとけ」になるという仏教の考え方から、ご本尊と一緒に先祖代々の位牌や亡くなった人の位牌を祀ります。
今では本尊を祀る意味や仏教徒としての勤めといった宗教的な価値を強く感じて購入するよりも、亡くなった先祖や家族の位牌を設置したり、手を合わせて敬い、心を慰める対象として購入される方も多いようです。
仏壇にはご飯や水、お茶、いただいたお菓子などをお供えしますが、これは日々の敬意と感謝を目に見える形で表す表現です。
仏壇はどんなときに買う?
仏壇はどんなときに必要なのでしょうか?
ご不幸があった場合は四十九日の法要までにご用意する方が多いですが、それだけでなく「神仏に手を合わせたい」と思ったときが買い時です。
さらにお盆、お彼岸、家の新築などの際に新たな気持ちで新生活をスタートするときに購入するのもよいですね。
子供の心の教育のために仏壇を購入するのも増えています。家族が仏壇に手を合わせる姿は、先祖を大切にする心、目上の人を敬う心、お金やモノにとらわれない心を養うことができるといわれています。
ですので、子供が大きくなる前に購入するのもよいです。
仏壇の種類は?
ここから仏壇の種類を見ていきます。購入する際の参考にしていただければと思います。
形・材質で選ぶ場合
形や材質などの特徴で仏壇を分類することができます。
1.金仏壇
金仏壇は、白木を素地に漆やカシューなどで仕上げ、金箔や金粉で装飾を施したものです。見た目は金色であるのが特徴です。
金仏壇は日本の仏教の各宗派の本山寺院の姿を模しています。それぞれの宗派で内部のかたちに違いがあります。
伝統的に金仏壇は浄土真宗で用いられることが多かったようですが、これは必ずしも決まっていることではないので他宗で金仏壇を選んでも問題ありません。
金仏壇には蒔絵・彫刻・金具など、日本古来の伝統工芸が集約されており、工芸品としての美しさがあります。経済産業大臣指定の伝統工芸品となっている産地も多くあるようです。
2.唐木仏壇
唐木仏壇は、美しい木目を活かした落ち着いた重厚な風合いが特徴です。唐木仏壇ん長い伝統があり、江戸時代から100年以上の歴史を持っています。
唐木仏壇とは、黒檀や紫檀などの輸入銘木や、ケヤキや桑などの国産の銘木を使い、木材の木目を生かして造られた仏壇のことです。
唐木仏壇には、宗派による違いはないので選びやすい仏壇です。重くて硬く、半永久的な耐久力があるので実家など長く住まう家に置く仏壇によいです。
3.家具調仏壇
家具調仏壇は、20世紀後半の日本の都会型住居に合うようにデザインされた現代の生活様式に合う仏壇です。都市型仏壇ともいいます。
インテリアや他の家具と調和しやすいように、機能やデザイン芸術性の高い仏壇が作られており、現代人に人気があります。
家具調仏壇は一般に、インテリア性を重視したすっきりとしたデザインとなっています。気軽に購入出来る価格のものが多く、ライトな感覚の仏壇ですが厳選された天然素材を使用した高級品や、一流の伝統工芸士によって作られるものもあります。
仏壇を予算で選ぶ場合
仏壇の価格は数万円から数百万円と、ピンからキリまで幅広いです。
この価格の違いには2つの理由があり、1つはデザイン・造りの違いで、もう1つは工法による違いです。
デザイン(造り)には意味合いや想いが込められています。ひと手間もふた手間もかけてその意味合いや想いが表現されており、その装飾代がかかっています。
また、総練り工法、総無垢工法、四方練り工法、三方練り工法など、工法によって価格が変わってきます。どれくらい長く利用するかを考えて工法を選びましょう。
仏壇店の中には大幅な割引価格での販売をしているところがあります。仏壇は一般の商品のように定価というものがなく、定価はそれぞれのお店が勝手に付けています。ですので、そういったお店はあえて高い定価をつけておいて大幅に割引している可能性がありますので注意が必要です。
また、仏壇には必ず仏具が必要ですので、予算を考えるときには仏具のことも考慮に入れて、仏壇の表示価格は仏壇だけの値段なのか仏具込みの値段なのかを確認しましょう。
仏壇を置く場所で選ぶ場合
1.床置きタイプ
床置きタイプは文字通り床に置くものです。
収納スペースがたっぷりあり、ろうそくなどの道具や小物をスッキリと片付けてお祀りできます。
また椅子に座って手を合わせることができますし、大きいので威厳や畏敬の念を感じることができます。
2.台置きタイプ
台の上におけるタイプです。タンスの上などに置ける小さな仏壇。
仏壇は正座した時に本尊が目線よりも上に来るようにするもので、台置きの仏壇を床や畳の上に置く場合には、台に載せる必要があります。
仏壇は古くなれば買い替えることができます。金銭的に余裕のない方やあまり長く使う予定のない方は、買い替え前提でこの台置きタイプを選ぶのが良いかもしれません。
3.壁掛けタイプ
絵画やフォトフレームのように壁面へ取付けるタイプの仏壇です。奥行きの浅い薄型なので、省スペースで日常生活の導線を妨げません。
立ったままのスタイルで手を合わせることができ、家を出るときに挨拶するなど、日常生活のなかに仏壇をカジュアルに取り入れることができます。
あまり予算がない方やワンルームマンションにお住まいでスペースがない方などにおすすめです。
4.収納タイプ
本棚やAVラックの中に入れて設置するタイプの仏壇です。
リビングや書斎のインテリアと一体化するので仰々しい雰囲気がなくなります。故人をより身近に感じられます。
仏壇を宗派で選ぶ場合
ほとんど仏教について意識していない方が多いと思いかもしれませんが、そのような方もご先祖様がなんらかの宗教に入っていて、その宗教に則らなくてはならないことがあります。
唐木仏壇、モダン仏壇など、どのお仏壇を選んでも特に問題はありませんが、浄土真宗などで使用されている金仏壇はほとんど使用する事はありませんので、モダンや唐木タイプのお仏壇を選ぶことが多いようです。
また、伝統型仏壇は仏教の信仰や宗派によるお祀りを重視される方にとってはよい選択肢ですし、新型仏壇は宗教にあまり意識のない家庭などによいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
仏壇の種類、選び方を解説しました。身近にある仏壇ですが、このようにいろんな種類があるということはご存知なかったのではないでしょうか?
人によって最適な仏壇は異なりますので、よく吟味してから選んでくださいね。
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