今回のほとけ便りは、夏にぴったりな精進料理をお届けします。
こんにちは、ほと子です。皆さま、東京オリンピックはご覧になっていますか?
猛暑の中、それに一部の地域では緊急事態宣言が出ていることもあり、外に出ず自宅でゆっくり観戦していらっしゃることと思います。でもエアコンの効いた部屋に長時間いると、身体がだる〜くなってきませんか?
そこで、身体を整えるには精進料理の出番!猛暑にふさわしい精進料理を選んでご紹介したいと思います。
夏のお寺
夏のお寺では、暑くても寒くても修行は続きますでしょうし、そもそもお寺にはエアコンがない印象があります。今は、酷暑のため危険を回避する意味でも設置されているお寺が増えているようですが、昔から自然のままにお過ごしになっているご住職方はどうしているのでしょうか?
昔から、私たちの先祖は涼しい服装として麻を使ったものを身にまとい、暑さを凌いできました。
お坊さんにとって、それが作務衣にあたります。
夏の修行は「安居(あんご)」と呼ばれ、梅雨入り前から「解夏(げげ)」(旧暦七月十五日ころ)まで外に出ることなく一室に籠って修行なさるそうです。こうして強い精神が鍛えらるのですね。
ちなみに安居とは、サンスクリット語で雨に当たる意味で、インドで始まった安居の本来の目的は雨季に活発になる草木や虫たちの無用な殺生を防ぐため、個々で活動していた僧侶たちが一定期間同じ場所に籠るようになったという経緯があるそうです。
他にも、打ち水をして地面の温度を下げたりなどしていらっしゃいますが、毎日の食事にも夏の身体を労る工夫があったはずです。
夏野菜の効能
そこで夏野菜について調べてみました。
(春の野菜、春の精進料理に関しては過去記事【精進料理を作ろう!】春野菜を使った簡単♪精進料理レシピへどうぞ。)
東洋医学の分類では、食材を「陽性」「陰性」「平性」に分類しますが、『体温を下げる食材』はこの中の「陰性」にあたります。では、どのような食材が「陰性」の食材なのでしょうか。
特徴はいくつかありますが、一番わかりやすいポイントは『季節』です。
『体温を下げる食材』の特徴
◆暑い時期(春~夏)が旬のもの
◆暑い(暖かい)地方で採れるもの
つまり、夏野菜は陰性の食材となり、体温を下げてくれる役割があるのです。野菜も自然の恵み。生きていく知恵が植物にはたくさん詰まっていることがわかります。
夏野菜に代表されるものといえば、真っ先に思い浮かぶのがトマト!きゅうりにスイカにゴーヤに・・・と色々とありますが、皆さまはどの夏野菜がお好きですか?
トマト
トマトには、抗酸化作用のあるリコピンやビタミンAとCがたっぷり含まれています。美肌に良いとされるのはこのためですね。熱にも強く、油によって吸収率が高まるので、油での調理がおすすめです。老化防止、疲労回復にも効果があり、夏は紫外線によって活性酸素のダメージを受けやすいので積極的に摂るべき野菜ですね。
オクラ
β-カロテンやカリウムが含まれています。オクラのネバネバは、ムチンという水溶性植物繊維で胃腸を整えてくれます。冷たいものばかり摂ってしまいがちな身体を、夏バテから助けてくれる野菜です。
きゅうり
きゅうりには、汗と共に排出されてしまう水分とカリウムが多く含まれています。また体を冷やす効果の高い野菜代表です。
きゅうりの青臭さの元になっているのはピラジンと言って、血液をサラサラにする効果があります。
ズッキーニ
見た目はきゅうりに似ていますが、かぼちゃの仲間です。
高血圧やむくみ対策になるカリウムが多く含まれています。カリウムにはナトリウムとのミネラルバランスを調節する働きがあるので、足がつりやすい方にも有効です。その他にも、ビタミンCやB郡、β-カロテンなど栄養は満点。加熱しても、生で食べても美味しいですね。
とうもろこし
子供も大好きなとうもろこしは、ビタミンB1、B2、カリウム、マグネシウムが含まれています。
水から茹でると風味良くふっくら仕上がりますが、栄養が失われにくい電子レンジを使用するのもおすすめですよ。
スイカ
スイカはその成分の約95%が水分ですが、その中に含まれている糖分(果汁)はブドウ糖、果糖、ショ糖で、それらはエネルギー転換に優れているので、猛暑の疲れた身体に即効性があります。
また、豊富に含まれているカリウムとの相乗効果により、清涼感を呼び、身体を冷ましてくれる働きがあります。
夏の精進料理
ではさっそく、これらの栄養と効能を存分にいただきましょう!
とうもろこしのすり流し
材料
・とうもろこし 1本 ・水 2カップ ・塩 小さじ1/2
作り方
①とうもろこしの実を削ぎ落とし、芯と共にお鍋に入れて分量の水で茹でる。
(芯を一緒に入れることで出汁が出ます)
②沸騰したら、弱火にして2〜3分。火を止めて芯を取り出す。粒を4個取っておく。
③あら熱が取れたらミキサーにかけ、裏漉しをする。
(丁寧に濾すと口当たりよくなります)
④冷蔵庫で冷やして、粒を飾って召し上がれ。
夏野菜カレー
材料
・ズッキーニ 1/2本 ・オクラ 2本 ・トマト 2個 ・パプリカ 1/2個
・ジャガイモ 1個 ・厚揚げ 1/2丁
・八丁味噌 大さじ2 ・ねりごま 大さじ3 ・カレー粉 大さじ1と1/2
・塩 小さじ1/2 ・油 ・水 2カップ ・ごはん(今回は玄米で) 2膳
作り方
①じゃがいもは皮を剥き、トマトは湯むきして、ズッキーニ、パプリカと共に一口大に切る。
厚揚げも、食べやすい大きさに切る。
②鍋に油をひき、じゃがいもを炒める。
③水を入れて中火で煮込む。浮いてきた油を取るとよりヘルシーに。
④じゃがいもに火が通ったら、オクラ以外の野菜と厚揚げを入れる。
⑤鍋に調味料を全て入れる。
⑥オクラを粗塩で擦り、30秒経ったら斜めに切る。
⑦カレーを盛り付けたら、最後にオクラを添える。
スイカのフラッペ
材料
・氷 100g ・スイカ 1/8 ・グラニュー糖 大さじ1(お好みで)
作り方
①スイカの種と皮を取り除き、氷とグラニュー糖とともにミキサーにかける。
②器にもり、スイカを薄く切って飾る。(ミントがあれば、添えても綺麗です)
写真ではあまりの暑さに溶けてしましましたが、本来はシャーベット状になるはず・・・
まとめ
旬の野菜は、大量に収穫できるためお安く買えるだけでなく、栄養価も高く美味しいものです。
野菜の持つパワーを身体に取り込んで、体内から温度を下げる工夫ができると良いですよね。
胃腸をいたわり、身体を労い、夏バテを避けて体感温度を3℃下げるほとけの精進料理で暑い夏を乗り切りましょう!
そして・・・体感温度を下げると言えば、怪談話。こちらも合わせてどうぞ。
体感3℃下げ!お寺にまつわる体験・こわい話
ほと子’s choice
今回使った、ほと子のおすすめはこちらです。
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