仏教と楽器の意外な関係!? ~仏教と関わりのある「音が鳴るもの」のご紹介~

こんにちは、ほと子です。
民俗芸能や歌舞伎などに華を添えるのは、笛や太鼓などの音による表現。「鳴り物」と呼ばれる楽器のなかには、仏教と関係性が深いものもあるということをご存知でしょうか。

そもそもお寺には音が鳴るものが種類豊富にあり、宗派によっては葬儀や法要において鳴り物を用いた儀式を行います。「チン・ドン・ジャラン」と荘厳に音を鳴らす葬儀に参列して驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、仏教と楽器の関わりについてまとめてみました。鳴り物を用いた特徴的な儀式についても解説するので、疑問に思っていた方、音や楽器に興味がある方はぜひご覧ください。

▶シンギングボールについてはこちら

楽器と仏教って関わりがあるの?

仏具のなかには、音が鳴るものがたくさんあります。身近なものでいうと、鈴(りん)や木魚。除夜の鐘として知られるつり鐘も、誰もが知る仏具の一種です。

鐘やすずなど、金属製の打楽器の多くは、雅楽の楽器仏教の仏具が起源といわれています。仏具のうち音を奏でるものを梵音具(ぼんのんぐ)といい、昔から勤行を始める合図供養に用いられていました。それが、民俗芸能や歌舞伎で演奏される楽器として使われるようになり、人々の間に広がっていったのです。

鐃鈸(にょうはち)はシンバルの原型、ウッドブロックは木魚を改良して作られたものという説があります。さらに、伏鉦(ふせがね)鈴(りん)は歌舞伎や雅楽といった伝統芸能だけでなく、身近な祭囃子などでも、楽器としてなくてはならない存在です。

お寺で音が鳴るものは、意外と種類豊富!

お寺で音が鳴るものには鐘や木魚、太鼓などがあり、形やサイズもさまざまです。

なかでも鐘の種類は多く、除夜の鐘で知られるつり鐘は「梵鐘(ぼんしょう)」です。小型のつり鐘は「半鐘(はんしょう)」、半鐘のなかでも廊下などにあり呼び鈴として使用する鐘は「喚鐘(かんしょう)」と呼ばれます。

お堂で使う据え置きの鐘は「鏧子(けいす)」、携帯用に持ち手が付いたものは「引鏧(いんきん)」です。お椀型の鐘で、より小型になったものが家庭の仏壇にある「鈴(りん)」なので、想像がつくと思います。

さらに、鐘と同じような音色を持つものとして、鰐口(わにぐち)鐃鈸(にょうはち)銅鑼(どら)などがあります。鐃鈸はシンバルの原型という説もあるので、サイズや形状の違いはあるものの、3つとも平たい形の仏具です。

木魚は丸い形で中が空洞になっており、ぽくぽくと音が鳴るのが特徴です。ほかにも、平たい鐘を伏せた形状で叩いて使う伏鉦(ふせがね)や太鼓、杖の先に金属のリングが付いた「錫杖(しゃくじょう)」、2本1組の拍子木のような「音木(おんぎ)」などがあります。

太鼓のなかでは、団扇太鼓が特徴的です。一般的な太鼓とは違い、胴がなくうちわのような形をしているため、この名で呼ばれます。日蓮宗・法華宗などで用いられることが多く、仏具としてだけではなく、楽器として舞台演奏でも使われるので見たことがあるかもしれません。

目的別に見た鳴り物について

鳴り物を目的別に見ると、2種類あります。儀式などの合図として使われるものと、読経のリズムをとるために使われるものです。宗派や寺院によって作法や目的が異なるので一概にはいえませんが、前者が鐘、後者は木魚や太鼓に相当します。両方の目的に使われるものもありますが、一般的な使い方について解説するので参考にしてください。

除夜の鐘は、大みそかの夜に108回鳴らして新しい年を迎えることを知らせる合図です。煩悩の数と同じだけ鳴らすことで煩悩を祓う意味合いがあるといわれます。お経の読み始めや終わりに鳴らされる鐘は、合掌の合図です。同時に、鐘の音により人々の邪念を払い祈りや供養の心を極楽浄土に届けるともいわれています。

木魚の役割は読経をするときに拍子を取り、リズムを整えることです。また、眠るときにも目を閉じない魚にあやかって、眠気覚ましの効果を期待して叩かれるともいわれます。伏鉦や太鼓、音木も同じく、数人で一緒に読経をする際の速度の調整に役立ちます。

曹洞宗における鼓鈸三通(くはつさんつう)

葬儀や法要で目にする「チン・ドン・ジャラン」と賑やかな鳴り物を使った儀式。初めて参列して、驚いた経験がある方もいるかもしれません。これは曹洞宗のみで見られる光景で、「鼓鈸三通(くはつさんつう)」と呼ばれます。

故人の魂を音楽により、迎えたり見送ったりする儀式です。故人を仏の弟子として、仏の世界へ盛大に送り出すという意味合いがあります。僧侶が3人1組となり、それぞれ引鏧(ハンドル付きの鐘)・太鼓・鐃鈸(シンバル)を打ち鳴らし、リズムよく大きな音を奏でる荘厳な儀式。鼓鈸三通は、葬儀のなかで2回行われるのが一般的です。

曹洞宗の葬儀はほかの宗派に比べて、「賑やか」「派手」と形容されることがあります。それは、この鼓鈸三通のほかにも「御詠歌」を歌うように唱えるなど、音の出る儀式が多いことや、関係する僧侶の数が多いことが理由と考えられます。また多くの儀式を行うため、葬儀が長くなる傾向があります。

まとめ

仏教に関係する仏具のなかには、楽器として派生した鳴り物も多く、日常的に私たちの身近に存在しています。このことから、昔から宗教が信仰の対象としてはもちろん、娯楽の面でも人々を支え、身近にあったことがうかがえます。

今回お届けした鳴り物についての知識をもとに、葬儀や法要に参列したときの心持ちが変わったり、民俗芸能に接する際の楽しみが増えたりすることがあれば幸いです。

鳴り物に興味のある方は

 

【Amazon】ウッドブロック Toc Toc フォルクローレ楽器 民族楽器 木製

 

 

【Amazon】ヤマハ YAMAHA ハンドウッドブロック 径50MM YWB-HL2

 

 

【Amazon】ポクポク木魚(もくぎょ)木魚 布団 バチ 3点セット

 

【Amazon】仏壇屋 滝田商店 木魚 白木製(一式) 3寸(横巾9cm)
◆最も一般的な白木の木魚、ふとん・籐柄バイ付き、仏壇用の仏具【滝田商店発行 証明書付】

 

【Amazon】仏壇屋 滝田商店 木魚 本桑製(一式) 4寸(横巾12cm)
◆音のよい最高級品の木魚、ふとん・籐柄バイ付き、仏壇用の仏具【滝田商店発行 証明書付】